続・終物語

続・終物語 (講談社BOX)

続・終物語 (講談社BOX)

続・終物語 西尾維新

吸血鬼もどきになった主人公、阿良々木暦(あららぎ こよみ)が怪異(かいい)と呼ばれる存在に取り憑かれた少女たちを助けていく物語。「こよみリバース」のみ収録の巻になっています

作中、ゆるい企画、という指摘は作者の自信のなさの現れなのかな?と最初は思ったのですが、読後はこの形式の物語にそれなりに自信があっての表記だったのではないかと受け止めています

いくつか好きなシーンを挙げていくと、

老倉育の「ーーほら、鏡って光のいわゆる反射だけど、光を全部反射するのは無理だから。一般的な鏡で反射率が80%位なんだっけ?いくらかはどうしても鏡面が吸着してしまうのよね。だから鏡像は現物よりもぼやけて見える 「私たちは鏡で自分の姿を認識するけれども、でも、ぼんやりとしか見ることができない。ぼんやりとしか知ることができない。輪郭がぼやけて正確さに欠ける」

という視点は面白かったですね。まぁ先行作品はあるかもしれませんが。あと

斧乃木余接が喪失感を感じる場面は悲しく、そして

「これまでと物語がすべてーー夢落ちだっら?

「夢落ちが禁じ手とされる理由は、卑怯だからではなくて、リアリティーがないからですよ

という扇氏の指摘にはちょっと真顔になりましたね

オマケ、という位置づけらしいのですが、私としてはかなり楽しめた一冊でしたね。これまでのシリーズを読まれてきた方にはおすすめ出来る作品です

終物語(下)

終物語 (下) (講談社BOX)

終物語 (下) (講談社BOX)

終物語(下) 西尾維新

吸血鬼もどきになった主人公、阿良々木暦(あららぎ こよみ)が怪異(かいい)と呼ばれる存在に取り憑かれた少女たちを助けていく物語

以下ネタバレです

まず八九寺真宵(はちくじまよい)がメインの「まよいヘル」

序盤、地獄の説明が入ったのが良かったですね

「いや、あるじゃないですか、そういう作品。がんがん人が死んだり女の子が酷い目に遭ったり子供が可哀想だったりガチ悪が出てきたり、残酷だったり理不尽だったりしたら、真実を書いていることになっちゃう系」

これには私も同感でした。西尾先生もそう感じていらっしゃるのでしょうかね?

「ひたぎランデブー」

生まれてくる子供の名前を「翼」にするというのはさすがやなぁ、と感心しました

戦場ヶ原さんをひたぎと呼ぶようになる展開は、必要なのかもしれませんが、何か寂しさがありましたね

「扇ダーク」

忍野扇阿良々木暦自己批判精神。世間に対する罪悪感の表層化というキャラ付けには素直に驚きました。単純でしょうかね?

あなたが知っているんです、阿良々木先輩ーー意味深なその言葉は、そのまんまの解釈でよかった 嘘や誤魔化し、曖昧、中庸やいい加減をそれでいいのかと、叱責し続けた

私は私なりに、阿良々木先輩の人生を矯正出来たと思っていますよ

自己肯定物語なのかな?と感じる作品でしたね

終物語(中)

終物語 中 (講談社BOX)

終物語 中 (講談社BOX)

終物語(中) 西尾維新

吸血鬼もどきになった主人公、阿良々木暦(あららぎ こよみ)が怪異(かいい)と呼ばれる存在に取り憑かれた少女たちを助けていく物語

この巻は「しのぶメイル」のみ収録された長編になっています。ざっと感想をいくつか述べていくと

阿良々木暦が扇氏に長い話になるぜ、との発言に対して

「構いませんとも。そのために私が、上巻と下巻の中間に、こうしてわざわざ中巻をねじ込んーーもとい、ご用意したのですから」

というメタ的発言を相変わらずしてきたりするのは面白いとは思うのですが、たまに現実に引き戻されるので、ほどほどにして欲しかったりしますね

序盤の神原駿河との文学談義は良かったですね。「美少女一番乗り」ですか...

ライトノベルを書かれている方は、皆さんライトノベルの定義やその呼称について何か意見をお持ちですよね。まぁ当たり前なのでしょうが

一太刀浴びせるを、ひとタッチ浴びせるにして勝負を決めさせたのはあ〜、なるほど、とは思いましたね

ただ、臥煙(がえん)さんはやはり苦手ですね。西尾作品のテイストで皮肉がキツいキャラクターだとヘイト指数が高過ぎますよね

最後は少し初代君が可哀想に感じるエピソードでした

ただ、『終物語』の中巻、というあり方には違和感がやはりありますね。扇ちゃんほとんど関係ないし。少し賛否両論がある作品になっていて私もシリーズの中ではかなり受けつけない作品ではあります。

終物語(上)

終物語 (上) (講談社BOX)

終物語 (上) (講談社BOX)

終物語(上) 西尾維新

吸血鬼もどきになった主人公、阿良々木暦(あららぎ こよみ)が怪異(かいい)と呼ばれる存在に取り憑かれた少女たちを助けていく物語。忍野扇(おしの おうぎ)老倉育(おいくら そだち)登場回

以下ネタバレありです

第1話「おうぎフォーミュラ」 不快指数が高めの、いわゆる人民裁判のような学級裁判によって、それを主導した老倉育が絶望する話から始まります。シリアスな展開が続くのである程度覚悟が必要なエピソードです。犯人だと思いう人物に対して挙手をする場面で、真犯人も老倉育に挙手をしていたというのは、なかなかでしたね。狂言回しである忍野扇をどう感じるかでこの作品に対しての印象が決まりそうですが、私は大好きなキャラクターでした。

第2話「そだちリドル」 完全に頭が逝ってしまっている老倉さんと戦場ヶ原さんのやり合いは、やはり凄いかったですね。「モンティ・ホール問題」は何回聞いても違和感しかないですよね。まぁそんなもんか、と受け入れてはいますが

第3話「そだちロスト」 羽川さんと扇氏のバトルはもう少し読みたかったかもですね。メインのストーリーである老倉さんの環境や生い立ちはあまりに救いがなくて、やはり読んでいてつらかったですね。

全般的に重めのストーリーになっていて、扇氏のことが好きかどうかで評価の分かれるシリーズになっています。

化物語

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(上)(下) 西尾維新

吸血鬼もどきになった主人公、阿良々木暦(あららぎ こよみ)が怪異(かいい)と呼ばれる存在に取り憑かれた少女たちを助けていく、現代ファンタジー

西尾維新先生の「戯言シリーズ」は一応読んではいたのですが、あんまり合わなかったかな?と思い、この化物語には手を出していなかったのですが、ベタですがアニメを観てハマり原作を読むことにしました。

よくこんなに少ない登場人物たちでここまでストーリーを回せるものだと感心しました。会話の描写が天才的ですよね。ただ早く先に進んで欲しい時は、いたずらに冗長だな、と少し思いはしますが

好きなエピソードは これまたベタですがやはり「つばさキャット」での戦場ヶ原さんと星を見るシーンですね。まぁアニメのファーストシーズンのラストが良かったりのもあってなのですが。それにしても戦場ヶ原父氏いわく、かつて家でもホッチキスを振り回していたひたぎさん、やはり相当キテますよね。

好きなキャラクターは、戦場ヶ原→羽川の順でしようか?全体的にそれぞれのキャラクターが深刻なものを背負っていますが、羽川さんのエピソードはやはり読んでいてツライですね。

全般的なキャラ立ちは本当に凄いと感じました

今更おすすめする必要もないヒット作ですが、まぁ会話が楽しい作品を読みたい方は是非どうぞ

Another を読破

Another(下) (角川文庫)

Another(下) (角川文庫)

Another 綾辻行人

主人公榊原恒一(さかきばら こういち) は病気療養の為、亡くなった母の実家に身を寄せることになる。だが転入先である中学校のクラスでの雰囲気に違和感を覚える。ヒロインである見崎鳴(みさき めい)が気になるが、クラスメイトたちは彼女が見えていないかの様な態度をとる。そして惨劇が始まる

おそらくこの作品のテーマはスケープゴートなのでしょうね。そしてそれは綾辻ホラーによくマッチしていてまさに傑作ミステリ風ホラー作品に仕上がっています。しかしまさかここまで、惨劇&惨劇、とは思いませんでしたね......。本当にもう許してあげて、というくらいでした

死者が誰なのかは本当に分からなかったですね。難しい、ですよね?死者をあてるの。それとも私がダメなだけなのでしょうか?

ただアニメ版でミスリードの為、キャスト名に工作するのは正直、仕方がないとは言えどうなのだろうか?とは思いましたね

それにしてもこの手の作品ではやはりラストは建物が炎上したり崩壊したりする中、脱出及び謎解きが行われるのが最も盛り上がりますね。いやさすがの一作でした

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傑作ではあるのですが、ホラー要素がてんこ盛りなので、その方面がダメな方以外なら、本当におすすめです

シャム双子の謎

シャム双子の秘密 (角川文庫)

シャム双子の秘密 (角川文庫)

シャム双子の謎(シャム双生児の秘密 やシャム双子の秘密 などのタイトルでも出ています) エラリー・クイーン

作者と同名の主人公、エラリーを探偵とする国名シリーズの第7弾です。版元によって題名が少し変わっています

エラリーとその父であるクイーン警視は旅行中、山火事に遭遇し命からがら山荘にたどり着くが、そこで殺人事件が発生してしまう

私が手に取ったのは1960年に出されたバージョンなので、正直この題材や表現は今ならアウトだろうなぁ、とは思いながら読んでいました。さすがに人を指して「蟹」という表現は......。80年以上前の作品なので仕方がないのかもしれませんが。

ただ山火事によって周囲を火に囲まれた事実上の、クローズドサークル状態というのは考えたなぁ、と感心しました。さすがエラリー。

ただ肝心のトリックや主人公たちの推理は、快刀乱麻を断つ、といった感じではなく少しもやもやが残るものになっています。

ですがストーリーのほうは比較的よく出来ており火の手が差し迫っている状況での殺人事件など、話を盛り上げる要素はかなりあり、トリックそのもの以外でエンターテイメント性の高い作品になっています

読後感も基本的によく、一部の設定を除いて古典的名作に仕上がっていて、ミステリ好きな方全般におすすめ出来る作品です