#過ぎ行く風はみどり色 (#倉知淳 )の感想

 

過ぎ行く風はみどり色 (創元推理文庫)

過ぎ行く風はみどり色 (創元推理文庫)

 

 

過ぎ行く風はみどり色

倉知淳

 

 

特徴 ・猫丸先輩
・後半、世界が反転
・二人の視点が交互に進行
・良好な読後感


一代で財を成した方城兵馬。亡妻の霊に謝罪の念を抱いていたところへ、長男が霊媒師・穴山慈雲斎なる人物を連れてくる。そのイカサマをあばこうと、他の家人が学者を招くがその過程で兵馬は殺され、その後行われた交霊会でも殺人事件が発生する。それらを語り手の一人である兵馬の孫・成一の先輩である猫丸が解決するというミステリー

 

オカルトを題材にしているミステリーではあるのですが、全体的に明るい作風でトリックも素晴らしく、そしてなにより読後感がとてもいい作品でした

 

語り手で主人公と思われる成一視点と、その従姉妹、藤重佐枝子視点が交互に代わるのでおそらくそれが伏線なのだろうとは予測していましたが、実際作品内でトリックを明かされるまで私は分かりませんでした(・・;)
驚きましたね......

 

語り手が二人とも兵馬の家人であり、また霊媒師を信じている人、いない人に別れるにもかかわらず、家の中があまりギスギスしないのもポイントが高い作品だと思っています

 

ただあえて作品のマイナス面をあげるなら


・まず長い。この内容で文庫本で600ページ近くという分量は必要ないのではないかと思います。中盤、中だるみを感じずにはいられなかったですね
・もう一つは最後の殺人は必要ない、というより無くして欲しかったですね。全体的な作風から外れている気がしますし、なにかサイコっぽかったですね。あの犯人の自供......
・あと2番目に殺される方は実は好感度が高い方だと思うのですが、殺されて気の毒だ、という感想が一部の人からしか語られないのは少し同情しましたね

ちなみに存在感の薄い登場人物が一人だけ存在していたので、もしかしてこの人が犯人、もしくは何かカギを握っているのかと思ったのですが、結局事件には全く関係なかったのには拍子抜けしましたね......

 

少し古い作品なのですがあまりそこは気にならない文体です。題名通り爽やかでした

 

倉知淳さんの作品はこれが初めてだったので当然、初猫丸先輩でした。なんというか好感度が高めのお騒がせ系探偵、といったカンジなんですね。私には新鮮でした。いい名前を付けられましたね。

 

万人におすすめ出来る傑作でした