#歴史をつかむ技法 (#山本博文 )の感想

 

歴史をつかむ技法 (新潮新書)

歴史をつかむ技法 (新潮新書)

 

 

歴史をつかむ技法
山本博文 /新潮新書


歴史を勉強する技術的なモノというより歴史を勉強するその姿勢を、そして学校教育のように知識偏重ではなく歴史的思考力を培う事を目的として説(と)かれた本です


以下私が気になったところを抜粋していきます


長屋王の変」「藤原広嗣の乱」などの「変」や「乱」については乱は軍事蜂起を伴う国家(天皇)への反抗で「変」はときの政権の転覆工作であるが「長屋王の変」は、現在では天皇の意を受けた謀略とする説が有力


征夷大将軍は通常「公方(くぼう)」と呼ばれ朝廷内部でも天皇な「公方」、幕府は「公儀」と呼ばれていた


本能寺の変で黒幕がいたという立場の研究者はごくごく少数


赤穂事件(忠臣蔵)において討ち入りは自分の再仕官のためにやった事だという説を極めて厳しく非難


武功夜話」を否定😁


歴史を知るということは、安易に法則性を見いだそうとすることでもなければ、すべてを単なる偶然だと考えることでもない


(時代区分、文化史区分の年表が分かりやすかったです)


古代、大王家(天皇家)の後継者争いを考える時、「皇統」における「直系」という概念を理解しておくといい。天皇と皇女の間に生まれた皇子以外は、仮に天皇になったとしても、一代限りの中継ぎの位置づけしか与えられず、皇位を自分の子供には引き継げなかった


足利義満皇位簒奪の意思があったという説を支持する研究者はほとんどいない(理由としては足利政権の権力を正当化するものが無くなることに加え、廃位された天皇を擁した対抗勢力が出てくる危険性がある)


近世の始まりは織豊期からとするのが一般的。寺社や、一向一揆国人一揆など、複数の権力が分立していた中世的支配構造を信長や秀吉が克服し、一元支配することに成功したから


また著者は日露戦争を祖国防衛戦争としてとらえることには無理があるとしています


全体を通してやはり著者自身の説をかなり強く推してあり少し注意するべきかもしれませんが、歴史に興味がある全ての方におすすめ出来る著書になっています