#千夜一夜物語 形式作品の傑作 #煌夜祭

煌夜祭 (中公文庫)

煌夜祭 (中公文庫)

煌夜祭 多崎礼 /中央公論社

奇妙な仮面を被った語り部と呼ばれる二人が、交互に奇妙な話をしていく形で物語が進んでいく。それらの話が最終的に全て繋がっているということが、この作品を最も魅力的なモノにしています

語られる話に魔物と呼ばれる存在が出てくる点において、ファンタジーというか寓話的ではあるのですが、すんなり受け入れられる世界観になっていて引き込まれます

また魔物も含め語られていく存在にほとんど無駄がなく、それでいて十分に世界が描写されています。ただ足を引っ張る味方、スオウ島の島主にはイライラさせられましたね。そしてその割にはあまりにもあっさりとした最後だったので、本当に物語にとって役割だけ求められたキャラクターであったのだなと思いましたね。あと蒸気塔の存在もちょっと唐突で、その割にあまり詳細に語られなかったような気もします。いまいち文明レベルが分からなかったですね

登場人物がいくつもの名前や役割を持って出てくるので少し理解し辛いところがあります。ひとつひとつの話が濃密で読み流していると次の短編で理解が出来なくなったりするので、人名を軽くメモをしながら読まれることを推奨します。特に色んな老婆様が出てこられるので、この方はどこの老婆様でしたっけ?となりがちだと思われます

結構重い話が多いです。魔物がなぜ生まれてくるのかという事に対して、島を守る為だという理解をしたガヤンがボロボロになってしまう、そこまでは良かったのですが、お姉さんの件はやめて欲しかったですね

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読後感もかなり良く再読したくなる、ある意味ではたいへんコストパフォーマンスが良い作品になっています。片方の語り部が物語をしている最中、もう片方はどういった心境で聴いていたのだろうとその内心を推し量らずにはいられなかったですね

著者はこの作品を投稿し賞を受賞してのデビューで、それまでに大変時間がかかったらしいのですが、そんな事は全く感じさせない傑作となっています

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